【どこで生まれたの?】
クリスマスメッセージ 
イザヤ書7章14・9章1~6節
ルカによる福音書2章1~20節                          

 イエス様はどこで生まれたのでしょうか?「家畜小屋」(馬小屋)です。どうしてそんな場所で生まれたのかというと、それは「宿屋」には泊まる場所がなかったからです。マリアさんのお腹の中にはもうすぐ生まれるイエス様がいました。電車やバスに乗るとシルバーシートがあります。年をとっている人、障害を負っている人、妊婦さんたちは優先的にその席に座ることが出来ます。そのような人がシルバーシートの所に来れば「どうぞ」と言って席を譲ってくれます。でも、マリアさんとヨセフさんに「どうぞ」と言ってくれる人はいませんでした。それでヨセフさんとマリアさんはイエス様を「家畜小屋」で出産することになったのです。イエス様がお生まれになったというニュースはヘロデ王にも家来にもエルサレムに住む人たちにも知らされませんでした。その知らせは野宿をしながら命がけで羊のいのちを守っている羊飼いたちに知らされました。お風呂に入ることもごちそうを食べることも羊飼いは出来ません。命がけで狼や他の動物から羊を守っているのにみんなからはバカにされている職業が羊飼いです。羊飼いたちと同様にイエス様の誕生を知らされたのは、星占いの人たちでした。その人たちは東の方から星に導かれてイエス様に自分の大切な宝物を献げました。

 私たちは「世界で最初のクリスマス」の物語を知っています。でも、「家畜小屋」でイエス様が産まれたと言うことの意味を知っていますか? 想像してみて下さい。その場所は赤ん坊が生まれる場所としては最低の場所です。不衛生極まりない場所です。ふかふかの布団ではありません。布にくるまって飼い葉桶に寝かせられていました。羊飼いも星占い師もその誕生を心から喜び、羊飼いたちは神さまを賛美し、星占い師は自分の一番大切な宝物を献げました。ある人は星占い師にとって、それは「商売道具」であったと言っています。

 今、読んでもらったのは、ルカ福音書とイザヤ書でした。「恐れるな」と言う言葉がヨセフ、マリア、羊飼い、そして戦争で動揺している南ユダ王国の人たちにもこの声がかけられました。神さまを信じていれば、どんなことがあっても「大丈夫!」と言う声です。神さまはどん底にいる人たちに対して、「恐れるな」という声をかけられています。私たちもこの言葉を今、聖書を通して聞きましょう。

 イエス様は「家畜小屋」で誕生されました。その意味を私たちは知らなければ「クリスマスおめでとう!」と心から言うことは出来ません。イエス様がなぜ、「家畜小屋」で生まれたのか、どうして宿屋には泊まる場所がなかったのか、そのことをみんなで考えてみましょう。その意味がわかるとき、私たちは「インマヌエル」(神共にいます)と言う意味を知ることが出来ます。神さまが望まれる平和を心から願い、苦しんでいる人、悲しんでいる人、様々な重荷を負っている人たちの上に神さまの導きと祝福を願い、イエス様がこの世に来られたことの意味を心にとめ、共にクリスマスをお祝いしましょう。