【お腹いっぱい食べて】
ルカによる福音書9章10~17節

 私たちが住んでいる地球には、およそ67億人の人たちがいます。その人たち全員が乗れる船を作ることは出来ません。もしもその67億人を100人とするとこの様になります。乗船者の57人がアジア人、21人がヨーロッパ人、14人が南北アメリカ人、8人がアフリカ人です。女の人が52人で48人が男の人です。70人が有色人で、30人が白人です。大金持ちは6人で、みんなアメリカ国籍の人たちです。文字が読める人は30人、いつも、いつもおなかをすかせて腹ぺこの人が50人、何も食べる物がない人たちも一人います。私たちがすんでいる日本では、考えられない貧しい人たちが大勢います。

 みんなで読みたいと思ったのは、ルカによる福音書9章10-17節です。このお話は他の福音書(マタイ・マルコ・ヨハネ)も同じように伝えています。ていねいに読むと違いますが、イエス様が神さまの国のお話を聞きに来た人たちがお腹を空かせていることを知り、五つのパンと二匹の魚(干し魚)でたくさんの人たちがお腹いっぱい食べるだけの食べ物をお与えになられたと伝えています。
 どのようにして、そんなに多くの人たちが食べることが出来たのか、そのことについて詳しくは書かれてはいません。でも、イエス様は腹ぺこでいる人たちのことを知らんぷりすることは出来なかったこと、その人たちのために父なる神さまにお祈りをしたこと、その結果、そこにいた人たちはみんなお腹いっぱい食べることが出来たと言うことです。

 今日は収穫感謝日の礼拝です。今から393年前、神さまを信じる人たちがイギリスからメイフラワー号という船に乗って夢と希望を抱いてアメリカ大陸にやって来ました。でも、多くの人たちは自分の手で農作物を作ったことも、どのようにして農作物が育つのかも知りませんでした。そのため食べ物がなくて、たくさんの人たちが飢えて死んでしまいました。神さまは、その人たちにたくさんの農作物を与えられるために先住民の人たちを通して、助けて下さいました。そこに住んでいた人たちは、種をどこにまくのか、肥料は何がいいのか、水はどれくらい、太陽には一日どれくらいあてればよいのか、などの初歩的な知識を教えてくれました。そして、収穫の日がやって来ました。たくさんの農作物が与えられました。みんなは神さまに感謝するために礼拝を献げました。そしてとれた穀物、野菜、果物を持ち寄り、七面鳥を焼いて盛大なパーティーを先住民の人たちを招いて行いました。これが「収穫感謝日」のはじまりです。

 日本に住んでいると、餓死する人たちがいると、ニュースになります。でも、お腹を空かせて餓死する人たちが多くいる国では、そのことはニュースにはなりません。イエス様は、みんなが食べ物を分かち合うことを望んでおられます。また神さまのご用をしたパウロという人は、お腹を空かせている人たちがいるのに、その人たちのことを忘れて自分だけでお腹いっぱいになればいいと思う人たちを厳しく叱っています。たくさんの食べ物をお与えになられる神さまに感謝すると共にみんなで分かち合いの心を持ちましょう。