【帝国の末路】Part2
ヨハネ黙示録18章9~19節

 消費税が10月から、10%になる。所得の少ない者たちは大きな打撃を受ける。大型間接税は、貧しい人たちの家計を逼迫させる。政府はそれらの人たちに対して、対策を講じているとマスコミ報道ではなされているが、実際の打撃は計り知れない。

 貧しいものと富んでいるもの、すなわち格差が拡大すると言うことは、貧者が増えることを意味している。アメリカは1%の金持ちと99%貧者の国といわれている。教育を受ける機会に恵まれない人たちの貧困率は高い。

 先週と今週は宣教題を「帝国の末路」Part1「帝国の末路」Part2とした。ここには三つの嘆きについてエゼキエル書26章~28章の記述を土台に語られている。

 27章には貿易品目リストが書かれている。銀、鉄、すず、なまり、青銅、銑鉄(せんてつ)などの鉱物、「馬、軍馬、らば、小羊、雄羊、山羊」などの家畜、「象牙、黒檀、トルコ石、さんご、赤めのう、あらゆる宝石、黄金」といった宝飾材料、「毛織物、布地、亜麻織物、豪華な衣服、紫の衣、多彩な敷物」などの織物類、「小麦、きび、蜜、油、ぶどう酒、乳香、柱皮、香水、極上の香料」などの食材や香料が列挙され、その中には「奴隷」も含められている。黙示録のリストと比較すると、31品目の内、16から17の品目がある。しかし、32節~36節「諸国の民の商人は/口笛を吹いて、お前を嘲る。お前は人々に恐怖を引き起こし/とこしえに消えうせる。」

 しかし、富を独占し、贅沢三昧の生活はやがて終わりが来る。そして、王たち、大商人貿易商、船乗りに対する裁きが語られる。

 「不幸だ、不幸だ」(10節)「地上の商人たちは、彼女のために泣き悲しむ。」(11節)「不幸だ、不幸だ」「不幸だ、不幸だ、大いなる都」(16・19節)

 新しい聖書協会共同訳では「災いだ」新共同訳の「泣き悲しむ」が「胸を打って嘆き悲しむ」と訳されている。繁栄をほしいままにしていたローマ帝国の支配者達の末路がここに記されている。

 国の力は軍事力と経済力が象徴しているといわれる。しかし、そのような繁栄は永遠のものではない。かげりが現れるまでには、ヨハネ黙示録にある教会は見ることはなかった。その後、三百年を通過しなければならなかった。

 帝国が東西に分裂したのは、皇帝テオドシウスの死後、395年である。ゲルマン民族の侵入によって西ローマ帝国が滅びたのは、それからさらに約百年ほど経った476年のことであり、東ローマ帝国がトルコに滅ぼされたのは1453年である。

 繁栄はいつまでも続かない。帝国は必ず滅びる。これら災いを免れるためには。…どのようにしなければならないのか…。 主の正義と公平に生きるとき、わたしたちは命の書にひとりひとりの名が記される。