【すばらしいことです】
出エジプト記34・29~35 ルカによる福音書9・28~35
                                      
 病気をすることはつらいことです。ましてその病気が治らない、治りにくい病気だとそのつらさは増します。難病、不治の病といわれる病気はその人たちを苦しめます。

 チャイルド・ライフ・スペシャリストという仕事があります。入院していてつらい検査、治療をしている子どもたちに寄り添う人たちです。お医者さんではありません。看護師さんでもありません。特別に子どもたちと寄り添うために訓練された人です。日本の病院でこのような専門家がいる病院はそんなに多くはありません。でもその人たちがいると、病気の子どもたちは力が与えられます。

 今日は合同礼拝です。イエス様が十字架にかかられたことを、イエス様の十字架の道を心にとめ礼拝を献げるときです。

 ここに3人の人が顕れたことをペトロさんたちは目撃しました。ペトロさんたちはお祈りをしていました。すると不思議な光景を見ます。そこにいたのはモーセさん、エリヤさん、そしてイエス様です。モーセさんとエリアさんのことは旧約聖書を読むとわかります。 出エジプト記を読むとモーセさんがどのような働きをしたのか、神さまとどのように繋がっていたのかが、書かれています。エリヤさんのことは列王記上下に書かれています。

 神さまはモーセさんを通して苦役に苦しむイスラエルの民を奴隷となっていたエジプトから脱出させて下さいました。人びとは神さまの不思議な御業と導きで「どんな時でもだいじょうぶだよ」ということを知ります。でも困難があるとその神さまを信じることが出来なくなります。そのつど、神さまはイスラエルの民に対して「だいじょうぶ」と声をかけてくれます。あまりにも身勝手なイスラエルの民に対してモーセさんは怒り、神の指で書かれた「十戒」の板を粉々にします。神さまの命令でモーセさんは再びシナイ山に登ります。するとモーセが用意した石版に神さまは神の指で再びその約束の言葉を書き記されました。神さまの「約束」は再発行されました。そしてモーセがシナイ山を降りたときどのような姿で山を下りたのかが、今読んだ聖書には記されていました。

 エリヤは預言者です。どんなことがあっても神さまを蔑ろにはせず、神さまを信頼し、神さま第一の生涯を送った人です。エリヤは、死んだのではなく、「火の馬が二人の間を隔て、エリヤはつむじ風の中を天に上っていった。」(列王記下2章11節 聖書協会共同訳)と書かれています。

 モーセは「律法」をエリアは「預言」を意味します。イエスによってこの二つは成就されたと福音書の記者たちはわたしたちに告げています。

 弟子たちはここでも受難予告を理解出来なくて、うろたえています。そのような弟子たちに声がします。「これは私の子、私の選んだ者。これに聞け」(聖書協会共同訳ルカ9章35節) その後、イエス様は十字架に架かるためにエルサレムに向かわれます。(ルカ9章51節)

 わたしたちはこのイエス様の十字架の道をこのレントの時、聖書を通して旅します。

 はじめに治らない病気でつらい検査をして治療する人たちに寄り添うチャイルド・ライフ・スペシャリストのことをお話ししました。そんな人がまだ日本の病院にいなかった時、こんなすばらしい歌を作った高橋順子さんのお話をして、お祈りをします。

 高橋順子さんは、(1959年~67年)の短い生涯を終えます。病名は骨肉腫です。今から50年前にこの病気になりました。つらい入院の日々、…そんなときに、そんな中で書かれたのが、こどもさんびか129番です。そしてそれはわたしたちの教会で同じように幼くして神さまのみもとに旅立たれたT・Yさんもそうでした。

 どんな時でもイエス様はいっしょにいて下さいます。そのことを心から信じ、イエス様の十字架の道、エルサレムの旅にわたしたちも同行することが出来ればすばらしいですね。