人の見分け方

         マタイによる福音書 71520
 
 先週の日曜日の午後6時から、京都で行われた教団の部落解放センター一泊研修会、翌日大阪の東梅田教会で(1
泊2日)で行われた運営委員会に出席後、調布教会のK牧師といっしょにKA牧師の案内で、大阪の釜ヶ崎に行ってきました。釜ヶ崎には、日雇い労働者の方が大勢います。仕事にあぶれている人たちは、アルミ缶を集めたり、日雇労働者に支払われる失業保険で生きるか、仕事に就くことをあきらめて生活保護で生きるかしかありません。そしてそこには様々な「貧困」ビジネスが闊歩しています。生活保護費で二畳一間の居室を一ヶ月4万円で提供するアパートが方々にありました。宿のない人たちは、野宿を強いられていました。(行政はあらゆる手段で野宿を阻止します。)そのような中で、釜ヶ崎キリスト教協友会(プロテスタント・カトリック合わせて11団体が加盟している)は活動しています。
 
 その関連施設である「いこいの家」に立ちより、炊き出しの残りの粕汁をいただきながら、そこで奉仕している女性(伝道師・神学生)とそこの常連の労働者の方々としばらく懇談の時を持ち、どのような働きをしておられるのかを、肌で感じることが出来ました。
 
 この「いこいの家」は、今は亡き金井愛明牧師が建てられ、活動していた「現場」です。彼は、同志社大学神学部の大学院の時、1年間休学して関西労働者伝道委員会のインターンとして、労働問題に関わります。そして大学院を卒業して、堺のコンビナートの労働問題と出会う中で、危険な、しかも重要な工程に、服装も作業内容も全く異なる低賃金の労働者が働いている現実を目の当たりにします。そしてその人たちが、大阪の寄せ場「釜ケ崎」から来ていることを知り、単身、釜ケ崎に住み、自らも日雇い労働者となって、日雇い労働者の問題に取り組み始めます。そしてドイツからの宣教師E.ストロームの応援を得て、釜ヶ崎の「赤ひげ」と呼ばれた本田良寛医師の「労働者のために安くて栄養のある食事を」との勧めで、「食堂今宮」を共同オープンさせました。健康を害し、無理ができなくなるまで、日本キリスト教団西成教会の責任を担いながら、食堂を提供し、諸教会の協
力をえて、失業で野宿を強いられている労働者の支援に一役かっています。
 
  偽預言者に警戒しなさい
 今日のテキストに「偽預言者たちに警戒しなさい。」とあります。偽預言者がいるということは、本物の預言者がいるということです。旧約時代からこのような人たちはいました。例えばエレミヤを逮捕したパシュフル(エレ21・1)、ミカヤの時代の400人の偽預言者やアモス・ミカ書にも登場しています。偽預言者は、神の言葉を伝えるより、自分の益になるために金銭に執着し、人を喜ばせ、さらに祭司と組んで罪を犯しました。(エレミヤ23章9〜・25〜29節)新約時代においても同じように偽預言者が登場しています。(Uペトロ2・1、黙示2・20、19・20)ここで良い木は良い実を結ぶとあります。ここで使われている実(ポイエオー)は、行為、実践、実行を意味するのです。
すなわち、私たちの生き方が問われています。